「円満にパートを辞めるためにはどうすれば良いの?」
「後々トラブルになりにくい退職理由や伝え方を教えてほしい!」
現在のパート先を辞めたいものの、どうすれば円満退職できるのかと悩む主婦の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、トラブルなくパート先を辞めたい主婦の方に向けて以下の内容を解説します。
・パートを辞めた主婦のリアルな退職理由や伝え方
・パートを辞めると決めてから退職するまでの流れ
・主婦がパートを辞めるときにありがちなトラブル
・パートを円満に辞めるコツ
気持ち良くパート先を辞めて次のステップへと進むためにも、ぜひ最後までご覧ください。
パートを辞めた主婦のリアルな退職理由と伝え方の例文
主婦がパート先を辞める理由やきっかけはさまざまです。
できれば円満に辞めたいというのが多くの主婦に共通する本音でしょうが、正直に理由を伝えることがトラブルにつながる可能性もあります。
ここでは、実際にパートを辞めた主婦のリアルな退職理由と伝え方の例文を6つご紹介します。
仕事量に対して給料が少ない
主婦がパートを辞める理由のひとつに、仕事量に対する給料の少なさが挙げられます。
他のスタッフに指示を出してお店を回せるようになったり、ホール業務だけでなくキッチンも担当できるようになったりしたのに一向に時給が上がらないなど、自身の能力に対する対価の低さに不満を感じてパートを辞める主婦も少なくありません。
上司や会社側に相談することで時給が上がることもありますが、場合によっては要求が聞き入れられないだけでなく他のスタッフと揉めるきっかけになることもあります。
円満に辞めるのであれば、待遇面に関する不満は出さず別の理由を伝えた方が賢明です。
【例文】
スーパーの夜間スタッフとして働く中で、レジ業務だけでなく閉店作業や翌日の営業準備など多くの仕事を任せていただきやりがいを感じておりました。
ですが、子どもが受験を控えていることや母の介護もあり夜遅くまで残ることが難しくなったので、まことに勝手ではございますが来月いっぱいで退職させていただきたく思います。
職場の人間関係に疲れた
「職場でのギスギスとした人間関係に耐えられない」「どうしてもウマが合わない人がいる」といった理由からパートを辞める主婦も多くいます。
直属の上司や店長などに人間関係が上手くいっていない旨を伝えることで、配置換えや問題解決のためのサポートをしてくれる場合もありますが、円満にパート先を辞めたいのであれば理由を濁して退職の意思を伝えるのが良いでしょう。
【例文】
職場の皆様にはとてもお世話になっていましたが、家庭と仕事を両立することが難しくなってきて、今後、勤務時間を削ってもらったりシフト替えをお願いしたりする機会が増えてしまうことに申し訳なさを感じています。
丁寧にご指導をいただいたことへの感謝もあって何とか仕事を続ける道も考えましたが、やはり職場に迷惑をかけたくないという気持ちが強く、今年度末で退職させていただければと思います。
生活スタイルが変わった
「家事分担の割合が増えた」「子どもが塾や習い事に通い始めた」など、これまでの生活スタイルの変化を理由にパートを辞める主婦の方も一定数います。
この場合、職場に対する不満やネガティブな感情を理由にパート先を辞めるわけではないため、正直にその旨を伝えても問題ありません。
また、パート先によっては勤務時間やシフトなどを考慮してもらえることもありますが、自分の中で明確に辞める意思が固まっているのであれば感謝の気持ちとともにその旨を伝えましょう。
【例文】
この春から1番下の子どもがピアノを習い始め、送り迎えの関係から15時までしかシフトに入れなくなりました。
また、長女も中学3年生で受験を控えていて、多感な時期ということもあり、できる限り家庭での時間を大切にしたいと考え、来月いっぱいでこちらを退職させていただきたいです。
残業が多かった
主婦の中には「家庭の都合で定時で帰る必要がある」「もともと残業なしという条件だったのに度々時間外をお願いされる」など、当初の就業時間を超えての労働が難しいという理由でパート先を辞める人もいます。
家事や子供の習い事など、やむを得ない理由で残業ができない主婦にとっては仕方がないことではありますが、場合によっては「入社前に残業が発生するのは分かっていたのではないのか?」「月末に30分だけでも残ることはできないのか?」などと指摘される可能性もあるため注意が必要です。
【例文】
小学校低学年の子ども1人で留守番させるのが難しく、自分だけ定時上がりをお願いしているのが申し訳ないため来月末で退職させていただきたく思います。
学童保育をお願いして仕事を続けることも考えましたが、近くで入所可能な施設がなく、大変申し訳ありませんが一度パートを辞めて家庭に専念させていただきたいです。
やりがいを感じなくなった
仕事のマンネリ化ややりがいを感じなくなったことを理由にパートを辞める主婦も少なくありません。
正社員と比較してパートは責任や裁量が少なく、もっと頑張りたいという気持ちがあるにも関わらず十分に活躍の機会を与えられないことに不満を感じてしまうことが退職の原因となる場合もあります。
「将来的に正社員として働きたい」「もっと責任のある立場に就きたい」という意欲があればパート先にその旨を伝えて、それでも解決しないのであれば退職を考えてみても良いでしょう。
【例文】
現在の職場で5年ほどお世話になり、やりがいを持って毎日働いております。
ですが、かねてより子育てが落ち着いたタイミングでもう一度正社員として働きたいという気持ちが強かったことと、新たに挑戦してみたい仕事が見つかったため、次回のシフトをもって退職させていただければと思います。
夫の転勤が決まった
夫の転勤や異動などによる引越しで、どうしてもパートを辞めざるを得なくなる主婦の方もいます。
やむを得ない事情であるためパート先としても引き留めにくく、しっかりと職場に対して感謝の気持ちを伝えることで円満に辞めることができます。
【例文】
この度、夫が岡山県へと転勤することが決まりました。
当初は単身赴任の予定でしたが、まだ子どもが小さいことや私自身も近くで夫をサポートしたいという気持ちがあり、家族全員で岡山県に引っ越すことを決意しました。
店長をはじめ同僚の皆様にも一から丁寧にご指導いただき大変感謝しています。
私自身「このまま仕事を続けられたら…」という気持ちもありますが、2月末で退職させていただけますと幸いです。
パートを辞めると決めてから退職までの流れ
円満にパートを辞めるには、退職を決意してからの流れをしっかりと理解して行動することが大切です。
実際の流れを理解することでスムーズにパートを辞められるほか、場合によっては失業保険を活用しながら次のステップを目指すこともできます。
退職の意思があることをしっかりと伝える
「余計なトラブルに巻き込まれたくない」「辞めると伝えることが億劫」などの理由から、パート先に退職の意思を伝えられない主婦の方も少なくありません。
しかし、明確に退職の意思を伝えなければズルズルと辞めるタイミングを逃してしまいます。
また、パート先に不満があって退職を考えているのであれば、ネガティブな感情を抱いたまま働き続けるのはお互いにとってためになりません。
雇用期間に定めがない場合は、辞める2週間前までに退職の意思を伝えれば雇用契約が解除されると民法で定められています。
特にシフト制で働く職場では就業規則をしっかりと確認して、余裕を持って退職の意思を伝えましょう。
退職日の確定
パート先に退職の意思を伝えた後は、具体的にいつ辞めるのかを確定させます。
民法では、雇用期間の定めがなければ退職の意思を伝えてから2週間で雇用契約を解除できるとなっていますが、自身の都合だけで一方的に辞めてしまうと、パート先との間にわだかまりを残しかねません。
後任へのしっかりとした引き継ぎはもちろん、有給休暇の消化も視野に入れたうえで余裕を持った退職スケジュールをパート先と決めましょう。
また、パートであれば退職届を提出することなく辞められるのが基本ですが、職場によっては提出をお願いされる場合もあります。
パート先からその旨を伝えられた際は、指定された期日までに必要書類を作成し、直属の上司や店長などに渡しましょう。
貸出品の返却や源泉徴収を受け取る
パート先から制服や備品、マニュアル、就業規則などの貸出品がある場合は、最終出勤日までにすべて返却します。
やむを得ない事情でタイミングが遅れたり、直接職場に赴いて返却ができなかったりする場合は、パート先にその旨を伝えて指示を仰ぎましょう。
また、退職後は、パート先から源泉徴収票を忘れずに受け取ることも大切です。
これは、次に働く職場での年末調整や確定申告の際に使用するもので、退職後1か月以内の交付が法律で義務付けられています。
源泉徴収票は郵送やデータで交付されるのが一般的ですが、一定期間経っても届かない場合は、パート先に直接問い合わせましょう。
雇用保険に加入していた方は失業保険の対象かチェック
パート先で雇用保険に加入していた場合は、失業保険の給付対象となることがあります。
自己都合による退職の場合、雇用保険の被保険者期間が退職前の2年間で通算12か月以上あれば失業保険が90日〜150日間給付される可能性があります。
失業保険を申請した後は、指定期日にハローワークに行って求職活動の報告を行う必要がありますが、無職の間であっても一定期間収入を得られる心強い制度です。
また、失業保険を受給しながら手に職をつけたい場合は、ハロートレーニング(公共職業訓練)の受講がおすすめです。
受講期間中は、失業保険の給付期間が延長されるほか、CAD、ネイリスト、WEBデザインなど、さまざまなスキルを身につけることができます。
受講後は、取得したスキルや資格などを活かして、パートや正社員として働くこともできますよ。
主婦がパートを辞めるときによくあるトラブル3選
主婦がパートを辞める際は、さまざまなトラブルがつきものです。
揉めごとなく円満にパートを辞めるためには、よくあるトラブル事例を事前に理解して対策を講じることが重要です。
ここでは、主婦がパートを辞めるときに起こりがちな3つのトラブルについて解説します。
入社したばかりだけど辞めたい
「パートを始めたばかりだけど仕事内容や人間関係が合わないから辞めたい……」「入社してすぐに辞めたら迷惑がかかるのでは?」と悩む主婦の方も少なくありません。
確かに、パート先としてはせっかく採用した人材には長く活躍してほしいという本音がありますが、民法627条(※)では雇用期間の定めがない場合にはいつでも退職の申し入れが可能であり、退職の意思を伝えた2週間後に雇用契約が終了すると定められています。
また、パート先が認めれば退職の意思を伝えてすぐに雇用契約が終了する場合もあります。
しかし、採用されてすぐに辞めるのはパート先の負担になるケースが多いため、ある程度余裕をもって退職の意思を伝えることが大切です。
(※)参照:e-Gov法令検索「民法_第六百二十七条」(参照2025.5.28)
1か月前に申告したのに2か月前じゃないとダメと言われた
余裕を持って1か月前に退職の意思を伝えたにも関わらず、2か月以上前に申告しないと辞めることができないとパート先から言われるケースもあります。
民法では、雇用期間の定めがなければ2週間前に伝えれば退職できると定められていますが、法律で決められているからといって一方的に辞めることはおすすめできません。
現在では、パートが中心となって活躍する職場も多く、企業としても短期間で新しい人員を採用して一人前の戦力として育て上げるのは難しいものです。
特に、あなたが重要な立場を任されていたり長年働いたりしていたのであれば、後任を探すのは簡単なことではありません。
円満にパート先を辞めるためにも、パート先の同意を得たうえで退職日を決めましょう。
上司が辞めさせてくれない
退職したい旨を伝えたにも関わらず上司が辞めさせてくれずに悩んでいる、そんな主婦の方もいるかもしれません。
実際は、パート先を辞める際に上司や会社の許可は必要なく、雇用期間の定めがなければ2週間前に退職の意思を伝えれば問題ありません。
人手不足を理由に引き止められることは珍しくありませんが、自身の中で明確に辞めると決めているのであれば毅然とした態度でその旨を伝えることが大切です。
また、それでも上司が退職を認めない場合は、内容証明郵便で会社宛に退職届を提出することや、労働基準監督署への相談なども視野に入れましょう。
パートを円満に辞めるコツとは?
パートを円満に辞めるためには、退職理由の伝え方や職場の同僚に対する配慮など、さまざまなコツがあります。
パート先と揉めることなく辞めたい主婦の方は、以下の3つのポイントを心掛けてみてください。
退職理由はポジティブな本音を伝える
退職理由を正直に伝えるのは誠実な対応といえますが、人間関係や待遇面での不満といったネガティブな理由はできる限りオブラートに包んで伝えるのが円満にパートを辞めるためのコツです。
・やりたい仕事が見つかり挑戦してみたい
・資格取得やスキルアップのための時間を確保したい
・子どもの習い事や受験の応援に専念したい
こうした理由であれば角を立てることなく、穏便にパート先を辞めることができます。
LINEではなく直接伝えるのがマナー
会社独自のルールがある場合を除き、パートを辞める際は、基本的にLINEではなく直接上司や店長などに伝えることがマナーです。
ただし、上司や店長は職場にいないことも多いため、事前にアポイントを取っておきましょう。
そして、パートを辞める旨を伝える際は、同僚や職場に対する感謝の気持ちをしっかりと伝えることが円満退職につながります。
また、どうしても上司や店長などと時間が合わない、やむを得ない事情があって直接退職の意思を伝えることが難しいといった場合は「直接お話できず大変申し訳ございません」と誠意を伝えることが大切です。
最終日には気を遣わせない程度のお菓子などを渡す
パート先での最終日には、お世話になった同僚や上司に対して気を遣わせない程度のお菓子を渡すこともおすすめです。
1人300円〜500円程度の予算でクッキーや洋菓子の詰め合わせなどを用意すれば気兼ねなく受け取ってもらえますし、メモや一言メッセージなどを添えるとより良い印象を抱いてもらえます。
立つ鳥跡を濁さずという言葉があるように、最後に職場に対して感謝の気持ちや誠意を伝えることが円満にパート先を辞めるためのカギとなります。
まとめ|パートを辞める理由は伝え方が肝心!例文を参考に円満退職を目指そう
パートを円満に辞めるには、その理由や伝え方が大きなカギとなります。
・パートを辞める意思があることを明確に伝える
・待遇や人間関係に関する不満などのネガティブな理由はできる限り濁す
・パート先に対して感謝の気持ちを伝えるとともに、双方の合意のもとで退職日を決める
・引き継ぎをきちんと行い、最終日には気を遣わせない程度のお礼の品を用意する
こうした点を意識することで、トラブルなく円満にパートを辞めることができますよ。
本記事で紹介した例文も活用し、新しい一歩を踏み出しましょう!