「業務委託とパートの具体的な違いって何?」
「主婦にはどちらの働き方が向いているの?」
主婦が仕事探しをする際は、パート求人の中から条件に合う企業へ応募するケースが多いですが、近年では業務委託という働き方も注目を集めています。
そして、業務委託という言葉を何となく耳にしたことがあるものの、パートとの具体的な違いやそれぞれのメリット・デメリットについてはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな主婦の方に向けて以下の内容を詳しく解説します。
・業務委託とパートの基本的な違い
・主婦にとっておすすめの働き方はどちら?
・働き方を選ぶ際のチェックポイントと実際の仕事例
・業務委託とパートのメリット・デメリット
業務委託とパートの違いを理解し、自分に合った働き方を実現しましょう!
業務委託とパートの基本的な違い
業務委託とパートは、雇用形態、働き方や勤務時間、収入や保障面など多くの面で違いがあります。
自分にピッタリなライフスタイルを手に入れるためにも、まずはそれぞれの基本的な違いについて理解を深めましょう。
雇用形態の違い
業務委託とパートは『雇用形態』に大きな違いがあります。
業務委託は自身が個人事業主という形で、取引先の企業と対等な立場で契約を結び業務を進めます。
取引先の企業に直接雇用されているわけではないため、勤務時間や仕事のペースなどを自由に調整できますし、自身の能力次第ではさまざまなクライアントと契約を結んで大きな収入を得ることも可能です。
一方で、パートの場合は企業と直接雇用契約を結び、就業先が定めた時間と場所で業務に従事します。
非正規雇用の時給制で働くのが一般的ですが、同一の会社で5年を超えて有期雇用契約を更新すれば、労働者の申入れにより無期雇用契約に転換することもできます。
働き方や勤務時間の違い
業務委託とパートには『働き方や勤務時間』にも違いがあります。
たとえば、業務委託のWEBライターとして働く場合は、あらかじめ定められた納期までに取引先から求められた記事を提出することで報酬を受け取ります。
勤務時間の決まりはなく、通勤する必要もないため、家事の合間や休日などを活用して仕事を進めることが可能です。
ただし、納品した成果物に問題があれば、やり直しの義務が発生したり、損害賠償請求をされたりすることがあります。
一方で、パートとして雇用される場合は、あらかじめ就業先と決めたシフトや勤務時間に出勤し、終業時間になれば原則として残業をせずに帰宅することが可能です。
パート先によっては休日が不規則になることもありますが、事前に相談すればシフトを調整してもらえることがほとんどで、場合によっては有給休暇を活用しながら柔軟な働き方を実現することもできます。
収入や保障面での違い
業務委託とパートには『収入や保障面』でもさまざまな違いがあります。
まず、業務委託は個人事業主なので成果物を提供できなければ報酬が発生しませんし、常に同じ仕事を任せてもらえるとは限りません。
また、パートと比較して社会保障の面でも乏しく、病気や怪我、失業などのいざというときに十分なサポートを受けられない可能性があります。
一方で、パートは基本的に時給制なので、毎月安定した収入が見込めるだけでなく、一定の条件を満たせば社会保険に加入しながら業務に従事することも可能です。
そして、就業先によってはパート従業員に対しても手厚い福利厚生を用意して、安心して働ける環境を整えているケースもあります。
業務委託とパート、どんな人に向いている?
業務委託とパートの向き不向きは、自身の性格や生活状況などによっても大きく異なります。
それぞれの働き方に向いている人の特徴を理解して、自身の希望する条件に当てはめながらワークスタイルを決めましょう。
業務委託に向いている人の特徴
業務委託に向いているのは、すでに専門的なスキルを身につけている人です。
業務委託の中には未経験や無資格でも挑戦できる仕事がたくさんありますが、ライティングやデザイン、プログラミングなどの専門知識が求められる業務も多く、一芸に秀でた人材がより重宝される傾向にあります。
また、子育てや介護などで、できる限り自宅で働きたいと考える主婦の方にも業務委託は向いています。
業務委託は取引先から求められた成果物や役務を提供することで収入が得られるため、働く時間や場所は自身の裁量で決められることがほとんどです。
もちろん、仕事に対する成果や自己管理能力などは求められますが、より自由度の高い働き方を実現したい主婦にピッタリの働き方といえるでしょう。
パートに向いている人の特徴
パートに向いているのは、扶養内での勤務を希望したい人や安定した収入を得たい人です。
パートであれば就業先との契約通りに働けば必ず時給が発生しますし、扶養内で働きたい旨を伝えて了承を得られれば、勤務時間やシフトなどを考慮してもらえます。
また、パートはフルタイムで働くこともできますが、子育てや家族の介護などで長時間働くのが難しくなったときは契約内容の変更に応じてもらえる場合もあります。
そして、週に1回、1日2〜3時間程度の短時間勤務でも採用してもらえる場合が多いです。
家庭の事情や自身のライフスタイルによって柔軟に働き方を変えたい主婦や、仕事と家庭を両立したい主婦にとってもパートは魅力的な働き方といえますよ。
働き方を選ぶときのチェックポイント
業務委託とパートのどちらを選ぶべきか悩んでいる人は、以下の7つのチェックポイントを活用するのがおすすめです。
それぞれの項目を確認することで、あなたに合ったワークスタイルを実現できますよ。
チェック①扶養と税金のラインを確認
多くの主婦にとって悩みのタネとなるのが、いわゆる『103万円の壁』や『130万円の壁』と呼ばれる年収の壁です。
これは、一定の年収を超えると所得税や社会保険料の負担が発生するもので、配偶者の扶養の範囲内で働きたいのであれば勤務時間と収入の調整がしやすいパートを選択すると良いでしょう。
一方で、扶養から外れて自由に稼ぎたい方は、業務委託を選ぶことでパート勤務より高い収入を目指すことも十分に可能です。
チェック②社会保険の有無・手続き
社会保険の有無も働き方を選ぶ際にチェックすべきポイントです。
パートの場合、一定の条件を満たせば就業先で社会保険に加入できますし、病気や怪我による休業補償や失業保険などの手厚い社会保障を受けることも可能です。
一方で、個人事業主扱いの業務委託は、いざというときに十分な保障を受けられない可能性があり、国民健康保険や国民年金などの加入手続きも全て自分で行う必要があります。
業務委託を選択するのであれば、万が一の場合を想定して、いざというときに困らない環境を整えておくことが大切です。
チェック③家計とのバランス
働き方を検討する際は、家計とのバランスも考えなければなりません。
毎月安定した収入源がほしい方や、自身で継続して仕事を探すのが億劫な方は、パートを選ぶと安心して働けます。
一方、毎月の収入に多少の変動があっても問題なく、自分の能力を活かしながらお金を稼ぎたい方であれば、業務委託という働き方もおすすめです。
チェック④家族との時間の使い方
家庭と仕事を両立できるか、といった観点で働き方を選ぶことも大切です。
子育て、家事、介護などで忙しい日々を送る主婦の中には、できる限り家族を優先して働きたいと望む人も少なくありません。
パート勤務では、さまざまな事情を抱えた主婦も多く活躍しており、急なアクシデントがあった際も協力し合える職場がたくさんあります。
一方で、業務委託は仕事量や働く時間などをある程度自分でコントロールできるため、自由度の高い働き方が叶えられます。
パートと業務委託のどちらにも良し悪しがありますが、将来的な環境の変化も視野に入れながら働き方を考えてみると良いでしょう。
チェック⑤キャリア・スキルアップの可能性
働き方を選ぶ際は、自身のキャリアやスキルアップの可能性も考慮すると良いでしょう。
現在は家事や子育てに専念しているものの、将来的には仕事に復帰したいと考えている主婦であれば、正社員登用制度のある職場を選ぶのがおすすめです。
一方で、業務委託を選ぶ際は、この業務を通じてどのようなスキルを磨くことができるのか、専門性や資格を身につけてより活躍できるチャンスはあるかといった観点を持つことが、長く仕事を続けるためのポイントになります。
チェック⑥職場の人間関係・環境
働き方を考える際は、職場の人間関係や環境なども重視すべきです。
「コミュニケーション能力が高く、良好な人間関係を築くのが得意」「チームで働く安心感がほしい」といった方は、パート勤務で自身の適性を活かせる可能性が高いです。
一方、「職場での人間関係に悩みたくない」「自分のペースで黙々と働きたい」という方は、働く時間や仕事量を自分で調整できる業務委託の方が、のびのびと活躍できる可能性があります。
チェック⑦自分の性格や得意不得意
自分の性格や得意不得意も考慮して働き方を選ぶことも大切です。
自己管理能力が高く、自身のスキルを活かしながら収入を得たい方であれば、パートよりも業務委託の方が自分らしさを発揮して働けるかもしれません。
一方、人と一緒に働くのが好きで安定的な収入を得たいと考える方であれば、業務委託よりもパート勤務のほうが向いています。
業務委託とパートの具体的な仕事は?
ここまで、業務委託とパートの違いや特徴などをご紹介しましたが、実際にどのような仕事があるのか気になりますよね?
ここでは、業務委託とパートの具体的な仕事例をご紹介します。
業務委託の主な仕事例
業務委託には、ライター、WEBデザイナー、プログラマー、イラストレーター、テレフォンオペレーターなどの仕事があります。
業務委託には自身のスキルを活かせる仕事が多く、一般的な求人サイト以外にもクラウドソーシングを通じて案件を獲得することが可能です。
パートと比較するとやや安定性には欠けるものの、自身の裁量で働き方を決められたり、能力次第では大きな収入を得られたりする点が魅力といえます。
パートの主な仕事例
パートの仕事は、スーパーやコンビニなどのレジ打ちや品出し、飲食店での調理や接客、倉庫や工場での軽作業(ピッキングや梱包)、クリニックや調剤薬局での医療事務などがあります。
無資格・未経験からでも挑戦できる仕事が多いため、ブランクのある主婦でも安心して働くことが可能です。
決まった時間と場所で働くことで安定した収入を得られたり、企業によってはパートに対して手厚い福利厚生を設けていたりする場合もあるので、万が一のときに備えやすい働き方ともいえます。
業務委託で働くメリット・デメリット
ここでは、業務委託で働くメリットとデメリットを具体的にご紹介します。
メリット
業務委託で働くメリットのひとつが、時間や場所に縛られることなく自分の裁量で仕事を進められる点です。
たとえば、育児や家族の介護のために在宅で働きたい主婦であれば、データ入力やライティングなどの案件にチャレンジすることで自宅にいながら収入を得られます。
また、現在では、クラウドソーシングやスキルシェアリングサービスを通じてさまざまな能力を活かしながら収入を得ることが可能です。
プログラミングや動画編集などの専門的なスキルだけでなく、占いやデザインといった趣味の分野を通じて収入を得る主婦も増えており、工夫次第で自由な働き方を実現できます。
デメリット
業務委託には、十分な社会保障が受けられない可能性や、収入が不安定になりやすいといったデメリットがあります。
現在では、さまざまなプラットフォームを通じて収入を得る機会が増えていますが、実際に案件を獲得するためには自身で戦略を立てながら営業をする必要があります。
そして、実績が少ない段階では、安価な仕事をたくさんこなさなければいけないことも多いです。
きちんとした成果物を提供し取引先との信頼関係を築ければ、徐々に単価の高い仕事を任せてもらえるようになりますが、途中で案件を投げ出して信頼を損なったり、無理をしすぎて家庭との両立が難しくなったりしては元も子もありません。
まずは、副業として無理のない範囲で業務委託の案件にチャレンジし、徐々に仕事量を増やしていくのも良い方法といえるでしょう。
パートで働くメリット・デメリット
次に、パートで働くメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
パートには、安定した収入を得ながら家事や育児、介護などに向き合えるといったメリットがあります。
毎月労働時間分の収入が見込めるため家計のやりくりをしやすいですし、就業先によってはパート従業員に対しても社会保険の加入を認めていたり、福利厚生の対象になっていたりする場合もあります。
また、パート従業員であれば比較的シフトの融通も利きやすく、事前に相談すれば学校行事などに合わせて休みを取れることがほとんどです。
予定が立てやすい面でも、家族との時間を大切にしながら働きたい主婦におすすめのワークスタイルといえます。
デメリット
主婦がパートで働くデメリットとしては、勤務時間や就業場所の制約が挙げられます。
会社に雇用される働き方である以上、どうしても就業先の営業時間に合わせて出社する必要があります。そして、子どもの学校行事や突然の病気で休みがほしい場合でも希望が通らない可能性があります。
また、パートは原則として定時上がりが可能な働き方ではありますが、人手不足のときや繁忙期などタイミングによっては残業をお願いされることがあるかもしれません。
さらに、パートとして働く際はチームでの連携が必要不可欠で、日ごろから同僚や上司達と良好な関係を築くことも必要になります。
そのため、自身の裁量によって自由に働き方を決められる業務委託と比較すると、やや窮屈さを感じる働き方といえるでしょう。
まとめ|“業務委託”と“パート”働き方の違いを理解し無理なく仕事を続けよう
業務委託は、個人事業主という形で企業から仕事を受注する働き方で、自己管理能力が求められますが自由な働き方を実現しやすいです。
一方で、パートは企業と雇用契約を結ぶ働き方で、収入や社会保障の面で安定しているのが特徴です。
どちらの働き方にもメリット・デメリットがあり、自身の性格やそのときどきの生活状況などから柔軟に働き方を選択するのが、無理なく仕事を続けるためのポイントといえます。
そして、業務委託とパートはその性質上、どちらかだけでなく両立することも可能です。
それぞれの違いやメリット・デメリットを理解して、自身にとって理想の働き方を実現してくださいね!


